敷金診断士について

近年の東京ルールの制定により、以前ほど敷金のトラブルは起きていないように思えますが、まだまだ悪徳な清算を強要してトラブルになる事例も0ではありません。敷金トラブルの一番の大きな問題は、不動産業者が説明義務を怠っているケースが殆どです。これは、重要事項説明から契約書まで丁寧に説明していれば回避できるケースばかりです。小出不動産では、敷金診断士の有資格者が在籍しており、過去事例からトラブルになっているようなケースを具体例としてしっかりと説明するほか、物件ごとに守ってもらわなくてはならない特約事項を詳細に記載して、入居者の誤解を招かないよう日々研究に努めております。

敷金診断士とは

「敷金診断士」とは、不動産賃貸における敷金・保証金を巡るトラブルの解決を図る専門家として、特定非営利活動法人住宅性能検査協会が認定する民間資格です。
この団体の実施する試験に合格し、所定の講習を経て登録を受けた者のみに資格が与えられます。
客観的な第三者の見地から、賃貸物件の適正な原状回復費用の査定を行い、適正な敷金・保証金の返還の実現に努めます。年間10,000件近い敷金相談や、県民相談総合センター等の公的機関からの業務依頼・また、多くの引越センターや不動産業者との提携により、多くの敷金診断士が必要とされています。

※敷金診断士の業務は、原状回復費用の査定を主とするものであり、弁護士法において禁止される非弁業務を行うものではありません。当事者間において、敷金に関する仲裁や調停等が必要となった場合には、日本住宅性能検査協会が後援する日本不動産仲裁機構において、法律委員(弁護士)および専門委員(建築士等)の協同によって、公正かつ適切な問題解決を実現します。

敷金トラブルの第1位・壁クロスの費用負担

国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、大家と入居者との修繕分担が示されており、画鋲・ピンの跡は大家の負担です。クギ穴・ネジ穴・落書きは入居者負担となっています。
また、テレビや冷蔵庫の裏にできる電気焼け、エアコン設置によるビス穴や跡は、生活必需品を使ってできた汚れ=「通常の使用」範囲に入るとして、これも大家負担となります。
基本的な考え方は「普通に暮らしていた場合の劣化は大家の負担」です。入居者の負担はと言うと、落ちないたばこのヤニ、結露を放置したことによるカビ・シミ等が入居者の負担となります。

更に難しい線引きとしてクロスの張り替えをする場合、入居者が補修費を負担するのは破損した一面(メートル単位)のみで、色合わせのために部屋全体のクロスを張り替える場合、他の部分は大家の負担になります。

これらの内容も含めて、これまで敷金の定義やルールは非常に曖昧なものでしたが、120年振りに改正された「民法大改正」により「入居者が敷金で負担するのは自らが壊した箇所の修復費用だけで、年月の経過による劣化は貸主が修復の責任を負う」と明記されました。
このようにしっかりと法整備されたことは、結果として大家の負担増になったことは否めません。
当社では敷金トラブル0を宣言し、賃貸借契約開始前の状況を画像データで残し、退去時にはそのデータ資料を基に退去立会を実施しているため、敷金トラブルが発生しません。
これからは賃貸管理会社の資質を問われる時代であると認識しております。